ミクロの世界にフォトグラメトリーが応用できないか実験している。今回はその一部を展示している。虫の撮影にはもともと興味があり、ことに深度合成の手法は、学生時代から半世紀以上研究してきた。デジタル技術が進歩し、写真のデータ化は大きく進歩している。さらに、3Dプリンターの性能も進歩の速度も加速している。
フォトグラメトリーは、尺度の大きい地形測量などで実際に応用される分野は広まっている。ミクロの世界あるいはアートの世界でも大いに期待できる基礎的な技術であるものの、挑戦する人が限られている。
深度合成、フォトグラメトリーの世界が作り出す、美しさや面白さを、現在実験中の最新の成果を見ていただき、興味を持ってもらえたら嬉しい。
2022年9月 小檜山賢二
展示作品は3D作品10点ほか、総点数30点以上
主催 : STU研究所
企画 : PHOTOGRAPHERS ASSOCIATES TOKYO LLC
協力 : 株式会社ミマキエンジニアリング
*会場内の作品にはお手を触れないようにお願いします。
小檜山賢二 プロフィール
STU研究所所長・慶應義塾大学名誉教授
1967年 日本電信電話公社入社
1976年 工学博士(慶應義塾大学)
1992年 NTTワイヤレスシステム研究所所長
1997年 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授
2008年 慶應義塾大学名誉教授・STU研究所 所長
NTT研究部門でデジタル伝送システムに関しての研究で高い評価を得るとともに、蝶や昆虫の撮影やネイチャー写真でも活躍、超微細な深度合成技術による昆虫撮影では独自の領域を進化させている。写真の3次元表現手法フォトグラメトリーを生き物の細部、極小の形態表現の商法を開発している。また、小生物の微細な機能に着目し、進化や宇宙の原理にも迫るマイクロプレゼンスの視点を提示している。